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ここは白虎国の城の中。
「ーっ陛下はどこへーっ」
「ーっっ申し訳ありません、逃げられました」
頭をこれまでかという程下げる近衛兵にため息を付き指示を出す。
「直ぐに探し出せ」
「零番隊が捜索に総動員させております」
「……1番隊も追加しろ、で何故毎回逃げられる」
「そっ、それは……申し訳ありません」
一方、ここは帝国の城の中。
「ハーッ、た大変ですーっ」
バタバタと廊下をはしたなく移動するメイドは顔面蒼白気味に走る。
「何事だ」
「ーっ王子ーっっこっここれーっ」
メイドの前に現れた、王子に慌ててメイドは頭を下げ、王子のお付きの者が受けとるメモに。
「ハーッ、なっ、直ぐに王にお伝え」
「………何が書かれて………あーの馬鹿はーっ」
そして、当の本人はと言うとキョロキョロと回りを見ては紙をじーっと見てため息して又うろうろとし始める。
「あの……」
「邪魔だ」
少年というには美しく華奢だが上品でもある、だが着ている物は大分くたびれている。
「あっ」
「……君どうしたの」
「あっ……すみません、モフルモフと言う店を知りませんか」
おろおろしながらも、真っ直ぐに青年を見つめる。
うわっうわっ、凄く綺麗な人だなぁ。
眼鏡と帽子とマスクで顔を隠しているけれど滲み出るオーラは隠せない。
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