第02講義 筋肉体操(情報化の歴史 第24節 淘汰と適応機能の獲得)

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 ホモサピエンスを始めとする生物には、自己を修復改善する機能が備わっていました。「細胞の分裂」や「血液の循環」などがその代表的なものです。中でも運動を可能にする「筋肉」は優れた仕組みでした。発達した動物は骨格を筋肉がとりまく構造をしており、三次元の運動を可能にしていました。この運動能力の高さが生物の支配力を決定する時代が長く続きます。すなわち、筋肉が発生させる力である筋力の強度が支配力と同義だったのです。そのため、動物は懸命に自らの筋肉を鍛えました。ホモサピエンスも例外ではありません。  この動画をご覧ください。これは「腕立て伏せ」と呼ばれていた体操です。(会場から笑い声が上がる)また、これは「腹筋」と呼ばれていた体操です。(更に笑い声が上がる)  このような体操は全く生産性が無く、一見無駄のように見えますね。しかし、当時のホモサピエンスはこのような体操を飽きずに何度も繰り返していました。何故かというと、強い筋力を得るためです。体操をすると筋肉に負荷がかかり、内部の繊維の一部が切れ、自己修復機能が働いて復元する。その時繊維が太く修復され、結果として筋肉が強化されます。このようにして、ホモサピエンスは自己修復機能を利用して筋力を強化し、支配力を増強していました。
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