爆破予告 181005

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 答えは出なかった。しかし結論は出た。結論に至ったのはもう随分前のことだ。「Dead or Arive」。優れたバンド名だ。結論。死ぬか生きるか。人間はここに至る。死ぬか。生きて負けるか。生きたら負ける。働くから負ける。死ねば負けない。働かないから負けない。このまま死ぬ。俺は負けない。勝つのだ。  勝つにあたって、問題を提議しなければならない。何故俺はこの道を選んだのか。何故この道を選ばざるを得なかったのか。ネット上の全世界の知恵を集めても、この道を選ばざるを得なかった。これは問題があるということだ。この道を選択した俺に問題があるのではない。俺は社会の中で、この道しか選べなかった。ということは、社会に問題があるのだ。問題は社会にある。それは間違いない。だから俺はこの問題を提議する。でなければ、俺が生きた意味がない。この社会に俺が生きた意味がない。俺は死ぬ。そして問題を提議する。俺は勝つ。  問題提議に関しては難しくない。社会で最も問題がわかっていない人間に対して、最も有効なやり方で問題を提議する。社会で最も問題がわかっていない人間。それは負けを負けと認識していない人間。負けを負けと認めず、勝ちだと勘違いしている人間。そのために勉強しているとかほざいている意識高い系の巣窟であるK大学。(何故T大学でないか? それはT大学がアホ過ぎだから。)最も有効なやり方は何か。爆破。K大学の爆破。この方法論を導くのは簡単だった。一晩で十分。「働いたら負け」の命題を説くのに7年かかった俺だが、結論に至りさえすれば方法論を考えるのは至極容易。ネット上にはあらゆる知恵がある。そういう意味ではいい時代だ。生き方さえ決まれば、どんな方法もネットにある。爆弾の作り方も。材料の入手方法も。そして予告の仕方も。オーケーグーグル。人類の知恵だ。
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