ギャラクシー三国志 第一話、「バル星の戦い」の章。

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ギーガ帝国の総攻撃の前に、連合軍はなすすべもなく、空母インディペンデント、エンタープライズ等主(おも)だった艦が次々にワープ航法により、宇宙の果てに消えていく。連合軍が退却したのである。バル星を目指して……。 ギーガ軍は、残った艦隊を掃討(そうとう)していく。この戦いは連合軍の完敗だった。 ○バル星。宮殿内。バル星評議会。  急遽(きゅうきょ)招集された評議員が恐恐諤諤(きょうきょうがくがく)議論している。 長男で、人気もあり、人格者のレイ、現后(きさき)の実子で次男のケイの姿も見える。良識のある穏健派の長老のザボや議長のルーガはレイを応援しているが、后(きさき)の腹心で実力者のサイボー、その参謀のカインなどはケイを支援している。 ○同国民評議会会場。レイのブース。レイは見るからに精悍(せいかん)な青年である。 ザボ「(レイの方へ囁くように)父君の暗殺で国民は知性を重んじるより、盲目のごとく感情的になっています。あの帝国支持が圧勝した国民投票の結果を見ても明らかでしょう」 レイ「(暗い表情で)それは、ここでもケイが勝つってことか?」 ○同会場。ケイ、后のブース。 后(きさき)は美しく大きな武器になっている。ケイは、取り立てて何もない平凡な若者で、置物のように座っている。 カイン「(ケイと后(きさき)の御機嫌を取るべく)サイボー様に任せておけば、ケイ様が必ずこの星の国王に祭り上げられるはずです」     
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