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「それは素晴らしい!! ハンムラビ法典はまさに当社のサービスを体現したかのような法律でして、目を潰されたら目を潰し返し、歯を折られたら歯を折り返す。 非常にわかりやすい法律ですよね? 昨今では『やられたらやり返す!倍返しだ!」なんてドラマもありましたけれども、こちらは『やられたらやり返す!等倍返しだ!』なんて感じになるんでしょうかね? あ、別にドラマに影響を受けてサービスを開始したわけではないですよ? なんせうちの創業は・・・」
「わかりましたから。 結論を言ってくださいよ! 結論を!」
営業マンのあまりにも長い売り口上にしびれを切らした男が机を叩いて怒鳴りたてると、営業マンは驚いた顔を浮かべた後、つまらなそうに一言だけ告げた。
「つまり、そう言うことです」
そう言うこと・・・。
この会話の中でその言葉が「何を意味するのか」を掴み取るのは男にとっては容易であったが、常識的に考えてそんなことはできるはずがない。
「はぁ・・・。 ばかばかしい。 警察でもないのに犯人を特定できるわけないし、例え人殺しをした相手でも勝手に殺せば罪に問われますよ」
くだらないと男が営業マンの話に一蹴に伏し、「こんなふざけた商売をしている保険会社なんて願い下げです」と言って席を立とうとした時。
突然、急激な眩暈が襲った。
「なん・だぁ・・」
景色がぐるぐると周り、男がソファに尻もちを付くと、営業マンは「ようやく薬が効いてきたようですね・・・」と呟き、一枚の書面を取り出すと男に突きつけた。
「なんのぉ・・つもり・・だ・・・」
上手くろれつが回らず、ソファに体をぐったりと押し付けながら男は振り絞るように声を出した。
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