不明瞭な君と、ずっと、これからも

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彼女から視線を外すようになって以来、少しずつ出てくる回数が減っていった。 気が付くと数年見なくなっていて、見捨てられたような寂しさを感じた。 仕事帰りにスーツを気にせず土手で寝ころび、空を見上げる。 見上げなきゃいけない高さまで上がってしまったのだと、そう思いたかった。 彼女はいなかった。 「君のおかげで、変われたよ」 その日以来、空を見上げてはいない。 余計な期待も、失望もしないように。
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