第1話 ありふれた日々とノラ猫

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「…」 家まで後数分になったくらいで腕時計で時間を確認する。 まだ8時を過ぎたばかりだ。 いつも会社を出るくらいの時間に、家に帰り着くということに嬉しさが込み上げた。 「おかえり。今日は早いんだね。すれ違いだ」 目の前にはニッコリ笑うシュウ。 「今日のゴハンはサバ味噌~」 「帰るのか?」 「うん。バイバイ」 「…って、どこにだよ。オマエ実はホームレスだろ」 「うん」 変わらない明るいトーンで肯定されて何だか怒りが込み上げた。 「俺んとこ来ない時はどうしてる」 「ん~泊めてくれる人いっぱいいるから大丈夫だよ」 いや、俺は心配してるわけじゃないんだ
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