第1話 ありふれた日々とノラ猫

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「なんつー生活」 「じゃぁまたね」 「また来るつもりか。ホント猫みたいな奴だよな。フラフラフラフラして」 「だって飼い猫じゃないもん」 そう言い残してシュウは暗闇に消えて行った。 「タチの悪いノラ猫」 厭味を言った所で何の反論もない。本人はすでに視界にすら入らない暗闇の向こうに歩いて行ってるんだから当然なのだが…。 「サバ味噌か。和食多いなアイツ」 独り言が止まらない事に、自分でもおかしいとは思う。 だが、なんだか寂しくてつい出てしまうのだ。    「「おかえり」」 と聞けるなら家の中から聞きたかった…… 「早く帰った意味ねぇな」
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