ブラックボックス・ランド

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美香は健の話を信じ協力することにした。この都市で最も権力のある大学兼政府機関のアカデミーに潜入し、健とは一年おきに隠れて連絡を取りつつ、情報収集をしながら地位を上げていき、仲間も数人集めた。その間、健は外から対策を練っていた。 健の計画を聞いてから十年後、美香はついに地下都市の住民の振りをしている政府側の人間を突き止めたのだが、なんとそれは都市国家”日本”国王の秘書の藤堂であった。 美香は国民が同じ場所に集まる年に一度の祭典の日、祭儀場から離れた位置に広範囲に爆弾を仕掛けた。藤堂が祭儀を行う国王に付き添っている最中に爆発させ、地下都市を覆う大きな天井を落とした。 混乱に乗じて外側の協力者とともに住民を逃がそうとするが、仲間のうち一人が実は政府側の人間であり裏切られ、計画は失敗する。住民は半分しか逃がすことができず、都市国家は封鎖されてしまい、藤堂も逃がしてしまう。 外の世界に出た美香は、健と再会する。地下にはまだ残された民がいて、時間が経てばいまとりさらに閉鎖的な環境になり、解放するのは難しくなってしまう。また、まだ国内には実験動物にされた人間が住む都市国家が九つあり、藤堂のさらに上でこの実験を仕切っている者が存在する。美香は健に誘われ、藤堂らから逃げ隠れつつ、彼らを解放して回る旅に出ることにする。
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