5人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
アニメも気になったが、巻き寿司はもっと気になった。
「メイ子ちゃん、隣の伊藤さんからこんなに巻き寿司もらっちゃったよ」
巻き寿司が三本も入った、使い捨て用の弁当パックが二つ。
「わーい、さっそく食べよ」
わたしがLANケーブルを引き抜いて立ち上がると、
「メイ子ちゃん、手が離せないんじゃなかったの?」
「ああー、そーゆー意地悪なこと言ってると女の子にモテないよ」
「どういう意味さ?」
きょうもカップめんかな、と思ってたから、リビングテーブルに置かれた巻き寿司をさっそく手にとった。サラダ巻きだ。
「今年は南東の方角を向いて食べるんだよ」
そう言って浩介は背を向けて無言で巻き寿司にかぶりつく。へんなのー。いつもへんだけど。
最初のコメントを投稿しよう!