ーー喜びと、不安のせめぎあい

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「真二さんが俺を好きって言ってくれて、俺もそれを受け入れて、付き合うようになっても、不安は消えなくて・・・。今日も水族館デートでめちゃくちゃ嬉しくて幸せなのに、幸せなだけ不安で」 「ごめんな、俺がしてきたことが晴を傷つけてしまったんだよな」 「違うんです。それは、俺だってそれでいいって思って。だから、真二さんだけがわるいんじゃなくて、でも。嫉妬する気持ちが消えない・・・」  ポロ、とこぼれる。  胸が痛い。 「あの男が現れたときも、晴さんに馴れ馴れしくして、セフレに戻りたいっていったのも嫌だったし。当たり前みたいにあの人、孝明って人の名前が出てきたのも嫌だった。晴さんが今好きなのは俺なのに。全部に嫉妬して、頭のなかぐちゃぐちゃで、不安で、ワケわかんなくなって。気づいたら連れ込んでキスしてた」 「晴・・・」 「真二さんのこと信じてる。でも、なんで不安が消えないんだろう。嫉妬するのが止められないんだろう・・・。誰も見るなって、隠して独り占めしたいって・・・」
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