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「しつこいって」
「なんで? 真二も気持ち良かっただろ? よがってたじゃん。めっちゃイってたよね?」
よがってないし、めっちゃっていうほどイってもない。
気持ち良さそうに見えたのは、お前に感じてたんじゃなくてお前の向こうに見えるあいつに欲情していただけ。
そんな自分にもホトホトうんざりだけど、そんな俺に欲情しちゃうお前だって俺はうんざりなんだ。
「しつこいこというなら、もう会わないし、もう二度と関係も持たない」
「は? なんだよそれ。自分から誘ってきて股開いたくせに!」
「はいはい。幻滅したなら消えてくれる? ほんと、ウザいから」
今までで一番顔は孝明に近かったんだけどなー。残念だけど仕方ない。
別に未練なんてこっちにはないし。いくら似ていたってお前は孝明じゃない。
じゃないものは簡単に捨てられる。
「バカにすんなよ! このビッチが!」
胸ぐらを捕まれ引き寄せられ、ああ、殴られんのかとなぜかぼんやりと考えた。
考えた瞬間、思いきり突き飛ばされ尻餅をつく。
は? なに? 何事。
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