ーー子犬みたいな彼

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 本当の俺は、こんな風に悪態をつき汚いことも平気で口にするし、下衆いことも平気でする男だ。  天然栽培されました、みたいな彼を見てると本当に情けなくなる。惨めになる。 「さっきの男、なんなんですか?」 「なにって。話聞いてたんじゃないのか?」 「いや・・・、あまり聞いてなくて。見つけたときには男が拳を振り上げてたところだったから」  話の内容もわからず飛び込んできたのか。  やっぱりバカだな。 「遊びのつもりで関係をもったら、あっちは本気にしたくなった。でも俺はそのつもりはないし、話は平行線。しまいにはビッチの称号をいただきましたとさ」 「・・・・・・」  引いた? 引いてくれたかな?  そう。俺ってそういう人間。あえて君には言わなかったけど。  勝手に偶像に浸って、好意をもってくれる分には構わなかったけど。  いい加減現実見てもいい頃だよな?  幻滅しただろ。いいよ。そのまま幻滅して消えてって。  眩しくて仕方ない。目が開かないくらい。まあそうすれば、みたくないもの見なくてすむし、いいのかな。
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