ーー君はヒーロー

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 郁巳は俺の理解者。  俺がゲイであることも、今まであったいろいろも全部知ってくれている。  だから俺も、郁巳には何でも話すし、こうやっていつも相談に乗ってもらっている。 「付け入るっていったら言い方悪いけどさ。そういうときって、誰かにそばにいて欲しいもんじゃないの? そういうの、他の男にとられるのは嫌だろ」 「ーー嫌だ!」  そんなの、絶対に嫌だ。  朝霧さんを慰めるのも支えるのも、愛するのだって俺だけがいい。  それは、どうやったら彼に伝わるんだろうか。 「じゃあ、うだうだ言ってる暇ねぇよ」 「ーーそうだよな。うん。そうだと思う。郁巳、ありがとう!」  持つべきものはやっぱり郁巳だ。  聞いてもらえばスッキリするし、立ち止まっていてはいけないと気合いが入った。  きっと、朝霧さんはあのキスで俺を追い返したつもりだ。  俺が傷心しもうバーにもいかなくなれば、きっと万々歳なんだろう。  思い通りにはさせてやらない。  どこまでも追い縋って、最後まで愛を貫いてやる。
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