616人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
どうしてーーー。
「なんで、そっちに考えが傾いちゃうんですか? 辛いことがあったからですか? 耐えきれないことが?」
「お前にはわからない」
「わかりませんよ。朝霧さん、なにも話してくれないじゃないですか」
どうして、頼ってくれない。
こんな形じゃなくて、一人になろうとするんじゃなくて。
甘えて、すがって欲しかった。
でも。
そんなの無理だ。
俺が、朝霧さんの中でそれだけの存在じゃない。
どちらか天秤にかけたとき捨て置きたいくらいの気持ちだ。
それくらいの存在だ。
胸が痛む。わかっていたことだけど。
「俺は、朝霧さんに一人になってほしくないです。・・・言い方を変えます。一人にしたくないです」
「俺は、お前を汚した」
「俺は別にきれいな人間じゃないですよ」
最初のコメントを投稿しよう!