617人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
無理矢理乗っかられ、そんなのは求めていないと思っていたはずなのに。
結局、俺も同じだったんだ。
「なにやってんだ・・・」
郁巳に弱味につけ込むのは嫌だとかかっこいいこといっておいて、結局つけこんで抱いた。
ダサすぎる。
結局、抱き潰すほどに抱き、朝霧さんが意識を手放すまで抱き尽くした。
未だ青白い顔色で眠る朝霧さんの寝顔をまた見るはめになったのかと苦笑する。
あまり睡眠もとれていなかったんだろうか、よく眠っている。
酒が抜けきっていないこともあるんだろうけど。
彼の心をほどくことが俺にはできないんだろうか。
あの人にあって、俺にないものってなんだろう。
男らしさ? 確かにない。
身長? 確かにあの人よりは低いけど、そこまで低くないし朝霧さんよりは少しばかり高い。
でも。きっとそういうことじゃないんだろう。
それくらいわかる。
だって俺も、朝霧さんに片想いをしているのだから。
最初のコメントを投稿しよう!