ーー生まれたモノは

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「それに、昨日の真二さんめちゃくちゃ可愛かったから」 「ーーはっ!? バカか。男に可愛いとかあるか」  いや、あの渚くんみたいな子とかならわかる。  むしろ、可愛いなら晴の方じゃないか。  俺は、確かに受け入れる方だが、見た目は全く中性的でも女っぽくもない。  それがコンプレックスでもあったのだが、そんな俺を捕まえて可愛いだと?  お前の目は腐ってんのか。 「いや、ほんとだって。めちゃくちゃ喘いでぐちゃぐちゃになって涙流しながら感じて・・・めちゃくちゃよかった」 「黙れ! さっさとシャワーしてこい! 帰るぞ!」  言葉にされるといたたまれなくなって、半ば蹴りを入れながらバスルームに押し込んだ。  そして気づいた。  バスルームがマジックミラーになっていたこと。  とぼとぼと入っていく晴が丸見えだ。
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