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「じゃあ、今度お邪魔させてくださいね」
「え、やだよ」
「え、なんで」
「なんでって、当たり前だろ。俺のプライベートまで侵食してくんな」
「侵食ってひどい!」
これ以上近づいたらダメだ。
これくらいの距離じゃないと。
仮面が剥がれる。
「疲れた夜の抱き枕にくらいなるのに」
想像して、それはいいかも、なんて考えてしまっていけない。
こいつにほだされては、あれよあれよと転がり込まれてしまう。
「ていうか、抱き枕って泊まる気かよ」
「え、そうですよ」
さも当然のように宣う。
晴はカラカラと楽しそうに笑っていて。
どこか心地いい空気感に穏やかな気持ちになる。
こんな気持ちは随分久しぶりに思えた。
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