ーー生まれたモノは

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「なぁに? なんだか顔色いいじゃない」 「そう?」  バーに飲みに来てくれた全。  俺を心配してくれたらしい彼は、自分のバーの定休日にわざわざ様子を見に来てくれたらしい。 「どんだけ荒んだかと思えば。どうしちゃったわけ?」 「どうといわれても」  ようやく吹っ切れて、新しい恋をした。とは何となくすぐに馬鹿正直には言えなかった。  気恥ずかしくもあるし、結局は報われないものだから。 「まぁ、元気ならいいけど」 「心配してくれてありがとう。今日は俺の奢りだから」 「当然ね。同じのもう一杯追加ね」 「さっきまでチビチビ飲んでたくせに」
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