614人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
失敗した。
遊ぶ相手はちゃんと選んでたつもりだった。
第一条件は、孝明に似てる男らしいスッとした長身の男。まぁ、孝明ほどのイケメンはなかなか捕まりはしないけど。
どこか孝明に似ているところを探して、そこばかりを見つめて事に及ぶ。
もう一つは、割りきった関係で納得してくれそうかどうか。
誰かと深い関係になるつもりはない。だから、それで納得できる相手じゃないと無理だ。
身体を繋げたからといって、愛だの恋だの馬鹿げたことをいってくるようなやつは願い下げ。
ーー願い下げ、なのだが。
時々いるのだ。軽そうな顔で近づいて、え、一夜限り? いいよいいよ、もちろんこっちだってそのつもり。
遊び? もちろん。今夜が楽しければいいでしょ。俺だってそうだよ。
何て調子よくこちらに合わせたようなことをいってきて、結局やっぱり忘れられない。もう一度会って。いや、それじゃ物足りない。付き合って欲しい。愛して欲しい。俺だけを見て。
って、勘違いをしてくる男。
それを最初から見抜けない俺も大概のバカなのかもしれないけど。
そういう男の対応が、一番手を焼くのだ。
最初のコメントを投稿しよう!