ーー子犬みたいな彼

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 失敗した。  遊ぶ相手はちゃんと選んでたつもりだった。  第一条件は、孝明に似てる男らしいスッとした長身の男。まぁ、孝明ほどのイケメンはなかなか捕まりはしないけど。  どこか孝明に似ているところを探して、そこばかりを見つめて事に及ぶ。  もう一つは、割りきった関係で納得してくれそうかどうか。  誰かと深い関係になるつもりはない。だから、それで納得できる相手じゃないと無理だ。  身体を繋げたからといって、愛だの恋だの馬鹿げたことをいってくるようなやつは願い下げ。  ーー願い下げ、なのだが。  時々いるのだ。軽そうな顔で近づいて、え、一夜限り? いいよいいよ、もちろんこっちだってそのつもり。  遊び? もちろん。今夜が楽しければいいでしょ。俺だってそうだよ。  何て調子よくこちらに合わせたようなことをいってきて、結局やっぱり忘れられない。もう一度会って。いや、それじゃ物足りない。付き合って欲しい。愛して欲しい。俺だけを見て。  って、勘違いをしてくる男。  それを最初から見抜けない俺も大概のバカなのかもしれないけど。  そういう男の対応が、一番手を焼くのだ。
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