さようなら、愛しい人

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たどたどしい感じがする説明に 私は赤面してしまった それもそのはずだ 遠回りな告白を受けたようなものなのだから 「…ねぇ、(まさる)。私ね…あの…ね」 言いたいことが出てこない 言いたいのに 「…いっちゃダメ」 そう言われ、言うのをやめた 「なんで?」 そして少し間があき、 「ぼ、僕から言いたいから…  …愛奈(まな)…す、すき…です  つ、付き合ってください」 赤面しながら言う彼。 その言葉をどれぐらい待ったのだろうか 「…いいよ…」 うまく声が出ず小さな声で答える 「へ?」 「い、いいよ!つきあったげる!  ただしっ!  私より先に死んだらゆるさないんだからね!」 そう言い切った 彼は「分かった」と言った そう…言ったのに ーーーーーーーーーーーー ピッピッピッと機械の音が部屋に鳴り響く 彼があのあと、倒れた そう聞き、一目散に駆けた そして彼の病室に入ると其処には 酸素マスクや点滴、その他の管やコードに 繋がれている彼が寝ている姿が見えた そのまま彼を見ていたかったが 寝ないといけない時間になり 強制的に部屋に連れ戻された そして彼は…その日のうちに亡くなった
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