0人が本棚に入れています
本棚に追加
A:女子高校生(クール) B:男子高校生(溺愛?)
A:桜の木の下には死体が埋まってるんだって。
B:これ梅の木だよ。
A:いいのよ。冬だし。
B:…でも『埋まってる』よ。
A:え?
B:…そのカメラ、僕に貸して?
A:…嫌よ。
B:どうして?
A:人に触られるのが嫌なの。
B:…そっか。
A:でも、あなたなら…いいわ。
B:え?
A:だってあなたのことが好きだから。
B:うん。知ってた。
A:それにあなたは冗談言うとき、目が笑ってるもの。
B:それは知らなかった。
A:撮ってあげようか?
B:遠慮するよ。
A:なんで?
B:もし写真に写らなかったときに困るから。
A:そう。でもね、私は撮りたいから撮らせてね。
B:わがままだなぁ
A:でもそんな私のことが好きなんでしょ?
B:知ってたんだ。
A:ええ。だってあなた私と話すときいつも赤くなるもの。
B:冬だからだよ。
A:あの時も…この木の下であなたは『赤かった』。
B:え?
A:自分が死んでるって気が付いてる?
B:ううん。
A:そうなんだ。
B:君も冗談を言うときはいつもよりさらに真顔になるからね。
A:…知らなかったわ。
B:そんなところも可愛いと思ってるよ。
A:うるさい。
B:可愛い。
A:笑うな。
B:やっぱりカメラちょっと貸して。
A:なんで?
B:可愛い君のことをちゃんとのこしておきたいから。
FIN
最初のコメントを投稿しよう!