僕だけに見える世界

4/4
前へ
/4ページ
次へ
 君は少し目を見開くと、またレンズを覗き込む。 赤い鼻先と、ほんのり色づいた頬を―― そっと、隠すかのように。  その姿を指でかたどり切り取った。  『君』という存在が消えてしまう前に、この瞬間を深く刻んでおきたくて。  これが、僕だけに見える世界。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加