第1試合 春

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俺の中学校は、グラウンドが狭い。 そのくせ、サッカー部やテニス部もいるから余計に狭く感じて仕方がない。 この春、俺は前里中学校に入学した。 前里は、昔から野球の名選手を輩出することで有名な学校だ。おそらく、強豪チームが前里中学校周辺で栄えているからであろう。 だから俺は小学校から強豪チームで野球をやっていたこともあって当然のように入部した。 そして、春休みの今、先輩達の手伝いとバッティング練習をしている。 「前野ッッッ!!」 先輩だ。あの先輩、なんだっけ、あぁ、高木亮先輩だ。 「お前、全然打ててないやんか。打つ気ある?」 まただ。この高木先輩は、俺のバッティングにケチつけてくる。 今、機械の球速を150キロにしたため、打てなかっただけだ。 俺はそこそこバッティングには自信がある。でも、小学校の最後の試合で、バケモンみたいな球投げてきたやつがいた。 俺たちのチームはそいつから点を取ることが出来ずに終わった。 そん時思った。 ああ、これは無理だわ。天才だわこいつ。 神さまは不平等だよな。
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