【第1話:神に見放された島】

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 薬草を受け取ったサクナおばさんは(はかり)で重さを量り、依頼されていた量以上にあることに気付く。 「また量が多いけどほんとに良いのかい?」  オレはいつもの事なので、 「良いですよ。と言うか、もういつもの事なんだから量さえ足りてたらいちいち確認しなくていいよ」  と言いながらギルドのタグを首から外してサクナおばさんに渡す。  この世界には冒険者という職業が存在する。  冒険者とは冒険者ギルドが設けた認定試験をクリアしたものなら誰でもなる事ができ、様々な依頼を受けてこなしていくのが仕事だ。  依頼には基本的にD級~S級までのランクがあり、簡単な薬草採取から魔物の討伐、商隊の護衛などその内容は多肢に渡る。  依頼ランクはD,C,B,A,S級と難易度が高くなっていき、S級の依頼にはドラゴンの討伐といったものまで存在する。  そしてこの依頼ランクにあわせるように冒険者個人にも冒険者ランクが付与されており、原則同じ依頼ランク以下の依頼しか受ける事が出来ないように定められていた。  緊急の場合などには各ギルド支部の判断でランクを超える依頼の受注を認める事が許されているが、それによって冒険者が負傷などするとその支部に罰則が科される為、余程の事態に陥らない限りランクを超えての依頼は認められなかった。     
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