【第3話:ギルド依頼】

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 しかし、祠を建てても完全に魔力の乱れを鎮める事が出来るわけではない為、他所より魔物が発生しやすく、魔物の異常な行動を確認するにはちょうど良い場所なのだ。  この世界の魔物とは、世界に満ち溢れている魔力を餌にしている生命体全般を指す。  ただ、空気中の魔力だけでは魔物としての位階が上がらないらしく、人や動物、他の魔物を喰らう事で強くなっていくと言われている。  ちなみに人の場合は魔物を食べても強くなることは出来ないが、魔物を討伐する事でその魔力を僅かだが取り込むことが出来、位階をあげて強くなっていく事ができる。  この人族の位階の事はレベルと呼ばれる事が多く、人族の限界は10位階(レベル)前後だと考えられている。 「しかし、この村周辺は魔物が少ないから中々調査にならないな……」  オレは結界石を使って身を隠すと、携帯食料を(かじ)りながら長期戦の準備に入る。  この辺りの魔物に見つかって襲われても返り討ちにするぐらい簡単なのだが、魔物を倒してしまうと調査にならないというジレンマが……。  結局オレは、こうしてそのまま一晩祠の前で夜を明かす羽目になるのだった。
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