【第1話:神に見放された島】

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【第1話:神に見放された島】

 その島の名は、神に見放された島『オドム』。  いや……今はこの名は使われていないのだったな。  今は、希望の島『ルシエーナ』と呼ばれている。  今年はルシエーナ歴15年。約320年前に今の『魔人国ゼクストリア』にて魔王が誕生した。  その魔王が討伐されたのが今から15年前で、その時に世界協定にて新しい元号が制定されたのだ。  そしてここは『イクリット王国』の『トーマス』という村。  イクリット王国はこの島の北西に位置する人族が中心の平和な王国で、トーマスはそのイクリット王国の東端、セーラン王国側にある人口300人ほどの小さな村だ。  この世界には魔物が蔓延(はびこ)っており危険に満ちているのだが、この村の周辺は下位の魔物しか生息しておらず、とても長閑(のどか)な村だった。  ~ 「テッドや~~! こないだ出した依頼片づけてくれたかの~?」 「わりぃ! まだなんだ! この依頼終わったら片づけておくからもうちょい待ってくれ!」  オレの名は『テッド』。  この村に住み着いてもう5年になる()()()冒険者だ。 「わかっだぁ! だげども畑荒らされてほんど困ってるから早めに頼むの~」     
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