【第1話:神に見放された島】

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 オレは「急いで片づけておくよ」と、顔なじみの農家の爺さんに返事を返すとそのまま冒険者ギルドに向かう。  国の方針で全ての村に冒険者ギルドを作ることになっているので、こんな小さな村だがちゃんと冒険者ギルドが存在する。  ただ……、 「何度見てもただの民家だよなぁ……」  見た目はどこからどう見てもただの民家だ。  せめてログハウスとかなら雰囲気も出るのに板張りの古びた木造平屋建てだからな……。 「サクナおばさん、こんちは~」  オレは民家……のような建物の冒険者ギルドの扉を開けると、ギルド職員のサクナおばさんに軽い挨拶を飛ばす。  すると、受付の木札がかかったテーブルでお茶を啜っていた女性が振り返り、 「ギルドの受付嬢に向かっておばさんはないでしょ! サクナさんとお呼びサクナさんと。まぁおばさんだけど?」  ガハハッと、豪快に笑いながら返事が返ってきた。 「わかったよ。んで、サクナおばさん、依頼達成したから処理お願いね~」  オレも笑いながら返し、持っていた薬草の入った布袋をテーブルの上に置く。  もう幾度となく繰り返しているやり取りだが……平和な証拠だな。うん。 「お。もう昨日受けた薬草採取終わったんだねぇ。薬師の婆さんも喜ぶよ」     
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