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【第2話:対の契り】
翌日、オレはいつものように昨日受けた依頼の達成報告に冒険者ギルドに訪れていた。
「はいよ。今日は珍しくCランク依頼だから5ポイントつけて……あと報酬の銀貨20枚だよ」
今回はさすがに指ではじくわけにはいかず、机に置いて差し出してくる。
「いつも、ありがと」
オレはいつものようにお礼を言って受け取るのだが、サクナおばさんが不思議そうにこちらを見ているのに気づく。
「ん? どうしたんです?」
少し気になったので、何かあるのかとサクナおばさんに問いかけてみると、
「いやぁね。あんたってほんと不思議な人だなぁって思ってねぇ」
今までも何度か聞いた気がする同じ言葉を投げかけてきた。
「まぁこんな寂れた村に住み着く冒険者なんて変わり者しかいないだろうからな」
オレはいつも通りそう返すのだが、どうもそういう事ではないようだ。
「ばかだねぇ。テッドが変わり者な事なんて当たり前だろ。この村でテッドの事を変わり者じゃないっていう奴がいたら連れてきて欲しいね。そうじゃなくてその実力とか剣とかだよぉ」
散々な言われようだな……変わり者なのは当たり前なのか……。
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