魔法使いが生まれた日

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「協力してくれますよね?」  笑う顔は、ただ知識を得るのが嬉しい子供のようなもので。 「私の命を助けてくれたこの力を、世界に広めたいんです」  その言葉に、ふっと冷静になる。  ああ、そうだ。たっくんは魔法のせいで死んだ。  でも、魔法の力が救ったものもたくさんあるのだ。  ようは、使い方で。 「……ひとつ、約束してくれますか?」 「はい?」 「この力は万能です。だからこそ、ある程度の規制が必要だと思うんです。誰でも使えるようにではなく、ちゃんと正しいことにこの力が使える人だけに教えるようにしてください」  御手洗智恵子はちょっと悩むような顔をしてから、 「そうですね。ダイナマイトも使い方次第ですものね」  しっかりと頷いた。  ああそうだ。こうすればいいんだ。あの魔法ブームが起きず、たっくんも生きていて、魔法のいいところだけが使える世界。それが、私の望みなのだ。  こうして、私は御手洗智恵子の研究に協力することになった。
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