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 しかし。  ここ何日か、僕は同じ夢を見続けていた。正確に言えば、同じ世界の夢だ。 オンライン小説でよくある、剣と魔法の世界。凶悪なドラゴンに、人間たちは全く手も足も出ない。いや、出なかった。  ドラゴンを倒すことができるという伝説の聖剣が発掘され、状況が変わったのだ。  しかしその聖剣は、まるで生きているような独特の動き方をするので、並の人間には扱えなかった。  それなのに何故か僕はそれを意のままに操ることができた。現実の僕は剣道もフェンシングもやったことなんか一度もないのに。  その剣は一振りでドラゴンをなぎ倒すことができる、凄まじい威力があった。それを扱える数少ない人間、ドラゴンスレイヤー。その中でも僕は、常に一番の戦果を収めていた英雄、「セイバー」だった。しかも夢の中の僕は、背も高くて筋肉質のイケメンだ。もちろん女の子にもモテモテ。ずっとこの世界にいられたらいいのに……  しかし、朝になると僕は現実に帰ってきてしまう。そして、何の変哲も無い高校生としての一日が始まるのだ。なので、もう最近は眠ることだけが楽しみだった。眠ればあの世界でドラゴンスレイヤーの「セイバー」として活躍できる。  だけど。     
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