もでしょうクエスト

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海夕と呼ばれた美少女の顔色が変わった。 泣いているのは変わらないが表情が明るくなった。 「よっ・・・・・・よかったあああああっ」 泣いてるため鼻声だ。 「名前、覚えててくれていたんだ、よかったぁぁ」 一生懸命涙を拭う海夕。 拭い終わると、男の襟を掴み自分の顔の近くまで引き寄せた。 男は思った。 「うあっ、近い近いっ、まつ毛長っ!」 「うんっ?石鹸の香り・・・良いねー」 「何考えてんだ!このボンクラまかべーが!」 「あの後どんだけ私が大変な思いをしたか!」 「分ってないでしょ!まかべーっ!」 海夕は、まかべーなる男を罵った。 「あの後て・・・・・・」 「・・・・・・・・・・」 頭を捻りながら‘ふと’洞窟が思い浮かんだ。 「そう言えばクエストはどうなったんだ?」 「オーパーツは回収できたのか海夕?」 海夕は更にまかべーの襟に力を込めた。 「出来てたら、ここにはいないしぃ!・・・・・・」 海夕は溜息をついて、襟を解く。 ペタンとまかべーの腰の辺りに座り直すと、幼い子に問いただす様に話す。 「彼の依頼でゲートが開き、異世界に行きましたよね?」 まかべーの頭に靄がかかってる・・・ 「・・・・・・いせかい?・・・異世界?」 「そうそう行った、行ったね。」 靄はまだかかる。 「だから回収のクエスト」 「だから聞いてっ!」 海夕 は強く制止する。
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