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この広い世界
何処までも深淵を魅せる空、地平線まで続く大地、空気も澄みきっている。
俺は、この日の出を見る為に此処まで来た、目を閉じれば太陽の息吹きさえ感じとれる。
毎日訪れる代わり映えのない朝の時間。
洗面所でうがいをし冷蔵庫からヨーグルト、野菜ジュース、コーヒーを出して別のグラスに注ぎ入れる。
何処かの国旗のようにも見える、時間を気にしながら野菜ジュースとヨーグルトのグラスを順に握り一気に、流し込んでいく。
残ったコーヒーを持ち時間を確認する。
「まだ全然早いな、電車に余裕で間に合う、時間ギリギリまで家での一時を嗜みたい」
そうすることで、2回も時間に追われないリラックスタイムを味わえる、この時間をむしゃぶり尽くさないと損をした気分になってしまう。
スマホでニュースを確認する。
世界の何処かでは、今日も戦争が起きている。
今の俺の手には、アイスコーヒーとスマホとリラックスタイムがある。
これで良いのだろうか?
ちゃんと遅刻しないように、慌てないように、多少のトラブルなら対処出来る時間に起きて、用意をして仕事に向かう。
これで良いのだろうか?
何も間違いを冒していない、俺は、何も間違っていない。
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