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等間隔に小部屋が敷き詰められた長い廊下を私は見回っている。
響くのは自分の足音と微かな機械音だけ、人工物の中を旅しているかのような気持ちになる程に長い廊下だ。
全長は何十キロにも及ぶと言う、振り返ると自分の数キロ後ろだろうか、米粒くらいの大きさに見える自分と同じ職務の人間が歩いているのが見える。
小部屋には殺風景だが機械が敷き詰められ、中にはそれぞれ人間が1人ずつ眠っている。
彼らは人生という夢を見ていて、その夢の中で過ごした年月日が扉の電光板に表示されている。
彼らが眠りから覚める条件はただ1つ、夢の中で死を迎えることだけだ。
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