あの日の夕焼けはとても綺麗だった

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ここは、私の一番お気に入りの場所。広く青い海に大きな橋が架かっているのがよく見える近くの公園。 風が柔らかく吹き、私の鼻に潮の香りを届ける。 私はベンチに腰掛けた。空を眺めると、日が暮れ始め、青い海は夕日に照らされ、オレンジ色に染まる。海の波はキラキラととても輝いていた。 「あの日と同じ夕焼け…」 私は一年前のことを思い出した。 一年前のあの日。あの日もこんな綺麗な夕焼けだった。ただ、隣には大切な人がいた。綺麗な黒髪をなびかせ、目を輝かせながら、私の大好きな場所を気に入ってくれた大切な君がいた。 「ここはとっても気持ちいいね。私も大好き!」 「うん!ミズキも気に入ってくれて嬉しい」 笑顔がとても似合う君は女性で、そして私も同じ女性だ。小さい頃から幼馴染で、同じ学校にも通っていた。どこに行くのもいつも一緒。中学生になったある日、私はミズキに対する秘めた想いに気がついた。
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