ザコすぎる焼きもち彼女

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うーん…スリッパがひっくり返っている。これは、また『あれ』ってことなんだろうな…。 スリッパを戻し、リビングに入ると真ん中のテーブルにまだ温かい料理が7品も並んでいた。 なぜこんな量が。まぁ、十中八九、『あれ』だとは思うけど。 「ゆきー。起きてるんだろー?。話聞くから出ておいで。」 そう言うと、小さくガタッと和室の方で音がした。そして、ゆっくりとふすまがほんの少し開き、睨むように少女がこちらを見ていた。 「起きてますけど…。なんです。早く、ご飯食べればいいじゃないですか」 うーん。やっぱ怒ってる…。 「とりあえず、こっちおいで。俺が、悪いことしちゃったんだよね?。ちゃんと謝りたいから話聞かせて?」 そういうとゆっくりと、だが無言で、 俺が座っているソファにちょこんと座ってきた。 この、はたから見たら16歳くらいの少女は、25歳の俺の彼女である(結婚はしていない)。そして今、俺の横で毛をさかだててるかのようにプルプル震えながら座っているのは俺に怒っているわけじゃない。『あること』で怒っていたのは確かだが、俺が帰ってきた喜びで半分くらいふっとんで、今は多分、『抱きつきたいけど怒りたい、抱きつきたいけど怒らないと』みたいに欲と葛藤してるんだろう。 「ゆき?こっち向いて?」     
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