イルけどイナイ

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A 「それじゃあ集合写真撮るから、B君は右上のパネルから顔を出して」 B 「いやなんでいなかった扱いなんだよ!? 確かに影は薄いけどちゃんといるから俺!」 A 「いないわよ」 B 「……へ?」 A 「だってあなた、生き霊じゃない。B君の本体は今頃家にいるわよ」 B 「えっ…………マジ? あっ、そう言えば俺、風邪引いて休んだんだった」 A 「普通気づくと思うけど。足無いし、透けてるし、宙に浮かんでるし」 B 「ああ、言われてみれば確かにそうだ。いやぁ、全然気づかなかった。はっはっは……ってなんだこの超常現象!? 俺、幽体離脱なんかできたの!? そんでなんでお前には視えてんの!?」 A 「霊感強いから、私」 B 「あ、そっすか。そうだとしも冷静過ぎるだろ……」 A 「わざわざ幽体離脱してまで来るなんて、一体誰に会いたかったの?」 B 「そりゃあー……みんなだよみんな」 A 「そう。で、写真撮るけどどうする? 心霊写真になっちゃうだろうけど」 B 「遠慮しとく。みんなを怖がらせちまうし…………それに、お前が写らねーと意味ねーし」」 A 「ごめんなさい。後半よく聞き取れなかった」 B 「い、いやなんでもねーよ。それよりみんな待ってるぞ。いつまでも独りでぶつくさ喋ってたらイタい女に見られるぞ」 A 「B君も早く帰った方がいいわよ。戻れなくなる前に」 B 「怖いこと言うなよ!? じゃあ帰るわ! じゃーな!」 A 「…………次はちゃんと生身で来てよね。そしたら写真なんていくらでも一緒に撮ったげるから」
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