二の巻

7/7
前へ
/23ページ
次へ
「須磨でいったい、何があったんですか?」 「あー、えーっと」  朝顔さんは朧月夜さんをちらちら見て、もごもごと口を濁した。  っていうか須磨ってどんなとこ? 海か山かもわからない。宇治生まれ宇治育ちの私は、全然他の土地を知らない。せいぜい都を見たぐらい。  須磨の想像はつかなかったけど、源氏の君がやらかしたってことは想像できた。いったい何があったんだろう。 「私から説明する。ざーっくり言うと、源氏の君が女がらみで島流しになって、行った先でまた女を作ったって話。まあ、島流しの原因は私なんだけどね」  朧月夜さんはそう言って、ぺろっと舌を出した。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加