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気を取り直して、テイクスリー。
アレク王子の百年後に現れた南の隣国のユアン王子は、アレク王子ほどの美男子ではなかったけれども、清潔感のある感じの良い人だった。
きざっぽいことを言ってくるわけでもないし、城に至るまでの道のりがどれほど大変だったかという自慢話もしてこない。今度こそ、三度目の正直かと思われたが――
(うーん、また、会話が途切れちゃったなぁ……。この人、ちょっと無口すぎる。会話は、男がリードするものじゃないの?)
――その口数の少ないところが、姫の気には召さなかった。
彼女は手慣れた様子で立ち上がると、呆然としているユアン王子を取り残して、なんの躊躇いもなく錘に手を突き刺した。
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