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そう決意した時、母親の宇宙人は机を叩きながら父親に怒りをぶつけた。
「危うく愛する我が子が殺されそうになったのよ! 本人だけ消滅させるだなんて、甘すぎるわ。地球ごと、粉々にしてしまいましょうよ!」
恐ろしいことを口走った。
慌てて俺は、母親の宇宙人を説得した。
「俺はもう大丈夫だから。地球を滅ぼすなんて酷すぎるよ」
それならと、
「ヒューマンだけを滅ぼしましょう」と言った。
「いやいや!人間にも、大切な家族や恋人や友人がいるんだよ。だから、だめだよ」
母親の宇宙人は、俺にやさしい子になったと嬉し泣きしながら、
「心配しなくても、ヒューマンたちは死んでも別の世界で仲良く暮らせるのでしょう? だから、消滅させても平気よ」
俺は泣きながら、もう地球にはいかないからと滅亡だけはやめてほしいと頼んだ。
すると、宇宙人の両親は慌てた様子で了承した。
貴重な涙(水分)を流すなと。
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