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少しして、光のドアが開くと天使が戻って来た。
おっさんは天使に険しい表情で詰め寄った。
「本当に、俺は地獄に行かないんだな?」
天使は頷いた。
「向こうに行ったら、息子に会えるか?」
天使は、「はい」と答えた。
少し考えた後、おっさんは泉に戻って来ると、水面に向かって言った。
「姉ちゃん、迷惑かけて悪かった。俺、行くから。じゃあな。ありが……」
言いかけたところで、おっさんは口を閉ざし天使の元に向かった。
「息子に会えなかったら、訴えてやるからな」
天使をそう脅し、おっさんは一瞬俺の方を振り返った後、光の中に入っていった。
それを追い、天使もまた光の中に行ってしまった。
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