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最後に集う場所
目が覚めると、俺は見知らぬ場所で仰向けに倒れていた。
視界に映った天井は高く、反射している光が青白く揺らめき、尖ったつらら岩が突き出ていた。
耳をすませば、天井から滴る水の音が聞こえる。
背中はひんやりと冷たく、ゴツゴツとしていて寝心地が悪く、俺はすぐに体を起こした。
「あら、お兄さんが目を覚ましたわ」
女性の声が聞こえてそちらを向くと、そこには大きなクリーム色の岩があって、そこに腰かけているおばあさんがこちらを見て微笑んでいた。
辺りを見回すと、そこはやけに広い鍾乳洞だった。
点々の存在する水溜まりからは青い光が溢れ出し、洞窟内を明るくしていた。
おばあさんが座っていた岩も、よく見れば大きな鍾乳石だった。
「すみません。ここは、どこですか?」
俺はおばあさんに尋ねた。
「さぁ、どこかしらねぇ。私も少し前に来たばかりで」
おばあさんは困ったように答えた。
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