どこかの星

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『あれは本当にあった景色だ。この星ではなく、遠い遠い星の。争いばかりを続け、滅びかけていた。』 「それが…あの景色…。」 「なんて恐ろしい…。」 人々はその真実を嘆いた。 「あんなの嫌だよ。争いなんてもっと駄目だよ。だからこれからも、みんなで大切にしていく!」 少女は主の手を強く握った。 深い深い夜。 空には無数の星が輝いている。 星の神は天を見上げた。 強制的に閉じ込められ、身動きがとれない中、なんとか他の星の神に助けてもらえたのは、運が良かったとしか言えない。 この沢山の星の中には、他にも「人間」が存在している星が幾つかある。 出会わないように仕組まれた宇宙で、それが少しずつ壊され始めている。 それぞれの星の、違う「人間」達は、果たして共に生きようとすることが出来るのだろうか。 あの星での悪夢を思い出す。 ただ、遥か遠いあの星のように、狂わないことを祈る。 無限の輝きの中で、一つの星が今、流れ去った。 『あなたの世界(ほし)は、大丈夫だろうか?』
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