ー最悪な出会い

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「祖父だ。・・・もう長くないと連絡がきた。最後に俺の嫁の姿が見たいと。見ないと死にきれないと泣かれた」 「は!? それで偽物? それでいいのかよ! じいちゃんは、本当のお前の恋人に会いたいってことだろ?」 「それでも、俺は誰とも結婚するつもりはない。だが、確かに思い残すことはなくしてやりたいとは思う」  だからって。  他人のことだからどうでもいいけど。  それって、俺もそのじいちゃんを騙す片棒を担ぐってことだよな。  なんか、複雑な気持ちなんだけど。  本当に、それでいいのかよ。 「俺、早乙女(さおとめ)夕紀(ゆき)。俺のせいでもあるから、協力はするけど。俺はちゃんと本当のこと話した方がいいと思う。誠意をもって話せば結婚したくないって気持ち、わかってくれるんじゃないかな」 「余計なことをお前が気にしなくていい」  余計なことかよ。  別に、いいけど。俺には関係ないし!
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