ー忘れたい、キス

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「夕紀さん。貴方が好きです。本当に、愛しています!」 「えっ、ちょ、ちょっと・・・」  たった二度、今日で三度目、会っただけだ。  そんな相手に好きだと、その上愛しているだと言う。  圧倒されてしまう。勢いに。  声をあげるべきか。  でも、仮にも自分の働いているホテルの社長。  それに、変に騒いで自分が男だってばれるわけにはいかない。  ここには、おじいさんがいるんだ。  そんな思いが、自分の体を固くさせていた。  それがいけなかった。 「好きなんです!」  ガバリと、抱き締められた。  とても強い力で。  ビクッと体が震え、逃げ出そうともがく身体を抑えつけられるように。
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