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「俺は、九条智哉二十七だ。お前は、そのままの名前でいいだろ。女みたいな名前でちょうどいい」
「なっ・・・! 人が気にしてることを!」
ほんと、嫌な奴だな!
「基本黙っていればいいが口調は気を付けろよ。声は多少高めにすれば十分だろ」
「すみませんね! 声も高めで!」
一応これでも声変わりはしたんだ。
それでもたいして低くならなかっただけで。
声変わりでもすれば男らしくなれるかと期待した思春期の俺の願いは虚しく散った。
「そのお陰で俺の役に立てる」
「全然嬉しくない!」
ていうか、あれ。どこにいくんだ?
ここって、え?
気づいたら自分が働いているホテルのラウンジにいた。
待って。その会合ってもしかしなくてもここであんの?
勘弁しろよ!
自分の職場で女装でいるなんて、なんて罰ゲームだよ!
バレたら最悪だ。
一生の恥。むしろもうここでは働けない。
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