ー忘れたい、キス

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「俺はしたことないけど、男同士でお遊びとかですることもあるし。男同士でキスとか、別に騒ぐことじゃないだろ。逆に、俺の正体知って罰ゲームだって思うのは社長の方だって。ははは」  笑い話みたいにして締めた。  だって、それ位しないとこの空気は変わらないと思った。 「俊之さんと、夕紀は友達でもなんでもないだろ。キスが騒ぐことじゃない? 本気で言ってるのか?」 「ほ、本気だよ」 「こんなに、唇が擦りきれるくらい拭っておいて?」 「・・・っ」 「無理矢理されることに同性も異性もない。嫌なものは嫌だろ」  顎を掬われ、唇を間近で見つめられる。  近づいた智哉との距離にドキリとし、目を伏せた。
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