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女顔の早乙女夕紀はその見た目通り、女装癖のある変態。
なんて噂が社員内にでて、白い目で見られるの必須。
むしろ、やっぱりね、何て言われたときには立ち直れない。
場所を変えてくれ、何て言えず。
これはなんとしても、ばれないように女になりきるしかない。
死ぬ気でこの秘密は死守しなくては。
「ついたぞ」
ああ、神様。
本当に、つくづく今日は厄日なんだな!ほんとに!
「いらっしゃいませ」
そう、迎えてくれたのは顔馴染みも顔馴染み、自分の働くレストランのアルバイトの前川浩介だった。
今日は日曜日。昼からシフトに入ってたんだったな。
長身で日焼けした健康的な肌、きりっとした男らしい顔つきのこの爽やか少年のせいで、俺はやけ酒をするはめになって、今ここにいる。
そうだ。そもそもはこいつのせいだ!
と、にらみたい気持ちを抑え、なるべく目立たないように微笑みを浮かべながらそっと隠れる。
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