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何で引き止めてんだ俺。
万々歳じゃないか。
智哉がそう言ってくれてるんだ。
もう終わらせていいって。
でも、それが終わったら俺たちの関係は?
俺が智哉の恋人の役をするから始まったこの関係。
それが終われば、俺は用無しだ。
「だから、だから、大丈夫だって」
「最初はあんなにいやがってたのに」
「そうだけど・・・。おじいさん、いい人だし」
そう。おじいさんのことは好きだ。
まるで、本当のおじいちゃんみたいで。
おじいちゃんがいたら、俺もあんな風に可愛がってもらえてたのかなって。
そんな風に思えるから。
「じゃあ、俺から俊之さんに夕紀が恋人だと話しておく。そして釘を刺しておく」
「・・・う、ん」
「これからは、基本的におじいさんと会うのも俺と一緒の時にしよう。俺が仕事で無理になったときには、夕紀も一緒に断る。いいな」
「うん、わかった」
俺も、もうあんなのは嫌だ。
智哉が一緒にいてくれるのなら、心強いものはない。
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