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何で社長は、俺なんか好きになったんだろう。
見た目には女に見えるかもしれないけど、そもそも社長とは顔を会わせた程度だった。
最初は躓いたところを助けってもらっただけ。すぐに別れたし。
何が、そんなに引っ掛かったんだろう。
「あなたみたいな素敵な人に、もう出会えないと思ったんです。だから、焦ってしまった・・・。そんな私には、智哉の恋人でなかったとしても、あなたが私を好きになってくださることはないんでしょうね」
「・・・・・・私は智哉のことが好きなので、恋人でなかったときのことはわかりません。ですが、そうですね。思いやりの持てるかたがいいと思うので」
そんなことありません。何て気休めは言ってはいけないと思った。
ここで厳しく言っておかないとダメだろうと。
自分がいい人でありたいために、社長のなかに未練が残るようなことはしたくなかった。
社長のためにも。自分自身のためにも。
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